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歌会始
- 2013/01/18(金) 11:52:57
一昨日の「歌会始の儀」がテレビ放送されているのを、たまたま一部だけ観ていました。
そこで印象深かったのが、入選者・若谷政夫さん(84)の
「ほの白く慈姑(くわゐ)の花の匂ふ朝明日刈る稻の畦に立ちをり」という歌です。
くわいの花が咲くのはとても珍しいことなのだそうです。
そんな花を見つけた朝の静けさと、立派に育てられたのであろう稲を明日は刈り入れるという充足感のようなものを感じます。
さらに印象深かったのは、歌を詠みあげられる時の起立した若谷さんのお姿でした。
私の父もそうですが、永年日の下で働き続けてきた方特有のなめされた様な肌をなさっておいででした。
失礼ながらお召の式服も着慣れた感じはなく、1万7800首から選ばれた晴れがましさよりも、
皇居での儀式に緊張なさっているような、しかし84歳まで農業を続け、その傍らに歌を詠まれた誠実さがにじみでているような。
「よかったですねえ」とお声をかけたいような気持ちになりました。
で、遠い日の記憶がよみがえった次第です。
私がまだ大学生で実家に帰省し、東京に戻る日のこと。
その時父も東京に所用があり、一緒の飛行機に乗りました。
父は滅多に着ないスーツ姿でしたが、飛行機に乗り込もうとする乗客の中で見れば
日焼けした顔にちょっと古臭いスーツ。これから出張に出かけようとするビジネスマンとは
あきらかに違う雰囲気でした。
そんな父が、その時の私はちょっと恥ずかしかったのです。
もっと大人になってからは、大好きな父のことをそんな風に思った自分が恥ずかしく、
何かの折にふと思い出すのです。
さて、今の父はというと、退院したとはいうものの、食事も生活も色々気を付けなければならないというのに、なかなか守ってくれません。結果私は、非常に口うるさい娘になって過ごしております(苦笑)
あけましておめでとうございます
- 2013/01/07(月) 20:53:59
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